共進会で見つけた銀行の守護神の大黒
どんな伝承か
明治四十三年、名古屋で共進会が開催された折、牧野元次郎さんは会場を歩いていて二尺余りの大黒天の銅像に目を留めた。通り過ぎてもなぜか気にかかり、二度、三度と戻ってはその姿を見つめ、ついに八十円で買い求めることを決めた。その大黒像は牧野さんが経営する不動貯金銀行に安置され、以来毎朝行員がその前で礼拝してから業務につくようになり、大黒さまは銀行の守護神となったという。
原典より
そうして、会場の中を歩いておりまする時に、ふと見当たりましたのが、丁度、二尺以上の銅像の大黒さまであったのです。—— 日本神異見聞伝(笠井鎮夫・1974年(昭和49年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本神異見聞伝(笠井鎮夫・1974年(昭和49年))
『日本神異見聞伝』は、笠井鎮夫が昭和四十九年に著した霊異の見聞記である。第一篇では、大正期に大本で鎮魂帰神を受けた著者が、霊媒による死者の招霊や狐霊・竜神の託宣、霊石の発掘などを研究会での語りの口調で伝える。第二篇では、慶応三年のええじゃないかのころ尾張・遠江・駿河・美濃・丹後などで起きたお札降りを、旧家の古文書や郷土史家の便り、著者の現地調査から記録している。