土産にして溶けたアイスケーキ
どんな伝承か
山原(沖縄本島北部)から那覇に出てきたあるお婆さんが、那覇のある家で初めてアイスケーキを馳走になった。当時、山原にはアイスケーキなど無かったので、その美味しさに驚き、「島に帰るときは孫たちへの土産にしよう」とたくさん買い込み、風呂敷に包んで、那覇と山原を往復する名護丸で帰った。ところが家に着いてみると、ケーキはすっかり溶けて水になり、着物も全部汚してしまっていたという。こうした失敗は山原ではよくあることだと語られている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 12 写真の怪・文明開化(松谷みよ子・現代民話考(立風書房)第十二巻・1996年(平成8年))
『現代民話考 12 写真の怪・文明開化』は、松谷みよ子が一九九六年にまとめた現代民話の資料集で、同シリーズの第十二巻にあたる。雑誌での呼びかけやアンケート、聞き書きで寄せられた話と新聞・雑誌の記事を、心霊写真をめぐる怪異と、明治以降の電信・汽車・電気燈などの新しい文物や流行病に戸惑う人々の話に分けて収める。話例ごとに本文を掲げて各地の類話を分布として並べ、話者や回答者の名と出典を添える。