助けを呼ぶ声と戦死の公報
どんな伝承か
戦争中の正月十二日の晩、「助けてえ」という声で目を覚ましたが、あたりには何もなかった。おかしいと思っているうち、今度は息子の俸給が送られてくるようになった。三、四ヵ月遅れて戦死の公報が届き、そこには昭和二十年正月十二日に名誉の戦死をとげたと記されていた。あの正月の夜の声の意味が、それで分かったのである。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 4 夢の知らせ・火の玉・ぬけ出した魂(松谷みよ子・現代民話考)
『現代民話考 4 夢の知らせ・火の玉・ぬけ出した魂』は、松谷みよ子が編んだ「現代民話考」の一冊である。日本民話の会の雑誌『民話の手帖』のアンケートへの回答や聞き書き、新聞・雑誌の記事から集めた、予知夢や死の知らせの夢、死者や神仏の夢告げ、死の前後に出る火の玉、生きている人から抜け出す魂の話を各地から収める。三章それぞれの冒頭に編者の論考「考」を置き、項目ごとに代表的な語りと、県別に並べた短い報告を話者・回答者・出典を添えて載せる。