病棟のヒトダマと入院患者の死
どんな伝承か
昭和三十年ごろ、名古屋市内のある病院に脊椎カリエスで入院していた語り手の伯母は、病棟でヒトダマ(火の玉)のようなものを目にすることがたびたびあった。そしてそのたびに、決まってほどなく病棟の誰かが亡くなるということが繰り返されたという。人が死ぬ前後に火の玉が現れるという話は、全国各地から同様の報告が数多く寄せられている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 4 夢の知らせ・火の玉・ぬけ出した魂(松谷みよ子・現代民話考)
『現代民話考 4 夢の知らせ・火の玉・ぬけ出した魂』は、松谷みよ子が編んだ「現代民話考」の一冊である。日本民話の会の雑誌『民話の手帖』のアンケートへの回答や聞き書き、新聞・雑誌の記事から集めた、予知夢や死の知らせの夢、死者や神仏の夢告げ、死の前後に出る火の玉、生きている人から抜け出す魂の話を各地から収める。三章それぞれの冒頭に編者の論考「考」を置き、項目ごとに代表的な語りと、県別に並べた短い報告を話者・回答者・出典を添えて載せる。