源経基が冠を掛けた一本松
どんな伝承か
麻布のかつての一本松町、長伝寺の門前には、源経基が冠を掛けたと伝わる一本の松があり、一本松という町の名もこの松から起こったという。見事な老松だったが明和の火事で枯れてしまい、その後も幾度となく植え継がれてきた。経基は頼朝の八代前の先祖にあたり、武蔵の国司として関東にいたころ、麻布にも拠点のような所を持っていたのではないかとみられている。麻布一帯には経基にまつわる言い伝えがほかにもあり、源氏と縁の深い土地と考えられてきた。一本松町はのちに元麻布町一丁目となった。
原典より
またかつての一本松町の長伝寺門前には、経基が冠を掛けたという一本の松の木があった。—— 江戸動物民話物語(窪田明治) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
江戸動物民話物語(窪田明治)
『江戸動物民話物語』は、「郷土史・東京」の刊行会を主宰した窪田明治が、東京の郷土史を調べた材料から江戸の民話を選んでまとめた本である。狐や狸、猫、蛇が人を化かし、恩を返し、祟る話を中心に、本郷・王子・向島・麻布・三田など東京各地に伝わる話を収める。狐・狸・猫・蛇・不思議な生き物の五部に分け、一話ごとに舞台となった土地の史跡や寺社の由来、沿革の解説を添え、まえがきとあとがきを付す。