京の鶯を放った鶯谷
どんな伝承か
上野の山の北の麓にある根岸のそばの鶯谷は、鶯の名所として知られた。上野の輪王寺の宮が、関東の鶯は鳴き声が良くないといって、わざわざ京都から鶯をたくさん取り寄せて放したからだと伝わる。根岸は古くから閑静な土地で風流人が多く住み、北を流れる石神井用水は螢沢とも呼ばれる螢の名所でもあった。
原典より
近くの鶯谷は上野の輪王寺の宮がどうも関東の鶯は声がよくないと、わざわざ京都からたくさん鶯をとりよせて、放ったという鶯の名所だった。—— 江戸動物民話物語(窪田明治) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
江戸動物民話物語(窪田明治)
『江戸動物民話物語』は、「郷土史・東京」の刊行会を主宰した窪田明治が、東京の郷土史を調べた材料から江戸の民話を選んでまとめた本である。狐や狸、猫、蛇が人を化かし、恩を返し、祟る話を中心に、本郷・王子・向島・麻布・三田など東京各地に伝わる話を収める。狐・狸・猫・蛇・不思議な生き物の五部に分け、一話ごとに舞台となった土地の史跡や寺社の由来、沿革の解説を添え、まえがきとあとがきを付す。