娘の句に恐れ入った俳人とおたて川
どんな伝承か
昔、ある人が下の方からやって来て、そこで宙返りをしたという話がある。俳句のたいそう上手な人が須賀川へ来て、十五、六歳の娘がいたので俳句の問答をした。娘は「冬ほきて夏枯れ草を刈りに行く」と詠んだ。冬に伸びて夏に枯れる草とは大麦のことである。その人はすっかり驚き、こんな小娘がこれほどの句を詠むのなら、この先どんな偉い人に出会うか分からないと言って、そこから引き返して行った。それでその川をおたて川と呼ぶという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
群馬県史 資料編 27(群馬県史)
『群馬県史 資料編 27』は、群馬県の県史の資料編の一冊で、収めるのはその「第三章 伝説」である。伝説の定義と分類、『神道集』や近世の地誌から明治以降の郡村誌・伝説集に至る県内の調査の歩みを述べ、赤城と日光の神戦、赤堀道元の娘と木部姫の入水、文福茶釜、羊太夫、弘法伝説などを群馬の伝説の特色として論じる。続いて代表例を自然的・社会的・信仰的伝説の三つに分け、各地の口承と古記録を伝承地を添えて並べる。