夢を取り替えた姉妹と貫前神社
どんな伝承か
昔、姉と妹がいて、同じ晩に二人ともよくない夢を見た。姉は馬のくつを拾う夢、妹は重箱を拾う夢だった。欲の深い姉は約束だと言い張って妹と夢を取り替え、妹は一の宮に、姉は乙父に落ち着いた。馬のくつは踏み広がるが重箱は大きくならない。そのため一の宮の貫前神社は大きくなり、乙父の神社は発展しなかったという。この話から朝の夢は人に話すなといい、夢を見たら天竺のバコウ様に夢を食べてくれと頼んで「オンアブラオンケンソワカ」と唱える。乙父神社の祭神は女神で、川上から神流川を流れて来て渕に漂っていたのを拾い上げ、休み場所を経て今の地に祀ったといい、祭りの日には神様が川原へ下る途中でそこに休むことになっている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
群馬県史 資料編 27(群馬県史)
『群馬県史 資料編 27』は、群馬県の県史の資料編の一冊で、収めるのはその「第三章 伝説」である。伝説の定義と分類、『神道集』や近世の地誌から明治以降の郡村誌・伝説集に至る県内の調査の歩みを述べ、赤城と日光の神戦、赤堀道元の娘と木部姫の入水、文福茶釜、羊太夫、弘法伝説などを群馬の伝説の特色として論じる。続いて代表例を自然的・社会的・信仰的伝説の三つに分け、各地の口承と古記録を伝承地を添えて並べる。