泥炭地に防雪林を育てた深川林地
どんな伝承か
宗谷線剣淵駅近くの深川林地にも一つのドラマがある。かつて沿線は一〇〇キロにも及ぶ過湿泥炭地で木の姿はなく、吹雪のたびに線路が埋まって列車は立ち往生した。一人の営林職員が防雪林の造成に挑み、排水溝を巡らせて地下水位を下げ、泥炭の分解を促す方法を考えた。ドイツトウヒなら造林できることも突き止め、苗作りから始めて次々に防雪林を完成させたが、この道一筋に二七年、過労で亡くなった。四五歳だった。深川冬至という人で、その名を取った「深川林地」はいま立派な林になっている。防雪林は線路の両側にそれぞれ一一〇メートルの樹林帯を置く。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 9 (木霊・蛇)(松谷みよ子・現代民話考・昭和〜平成)