機関車の水源を守る鉢森山の水源涵養林
どんな伝承か
山形県米沢市の鉢森山は標高一一〇三メートルの山で、国鉄がそっくり買い取った山である。ふもとにはタンクがあり、蒸気機関車に補給する大切な水をためていた。その水を守るには木を伐ってはならない、伐れば水は山にたまらず流れて涸れてしまう。だから山ごと買って木を守ろうということになったのだという。もともとブナ、クリ、ケヤキ、ミズナラなどの生える広葉樹林だったが、小さな区割で杉林や赤松の植林もして、それが板谷六号林である。昭和一九年からのことで、今も絶対に木は伐らず、倒木があれば始末して大切に守り、近くを走る山形新幹線の線路を浸水や土砂崩れから守っている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 9 (木霊・蛇)(松谷みよ子・現代民話考)
『現代民話考 9 (木霊・蛇)』は、松谷みよ子が全国の回答者から寄せられた報告と各地の民話集をもとに編んだ『現代民話考』の一巻である。明治から平成にかけて語られた、伐ろうとすると祟る木・泣く木・血を流す木などの木霊の話と、大蛇やつちのこ、蛇婿・蛇女房、主や守り神としての蛇、蛇と福運などの話を、話者や回答者の名とともに収める。第一章「木霊」と第二章「蛇」を主題ごとの節に分け、各話例の後に「分布」として類話の地名と出典を並べる。