蛇抜けの大水を告げた夜の声
どんな伝承か
与川が木曽川に注ぐ所に地蔵様が祀られている。江戸時代、尾張藩は毎年与川から材木を伐り出していた。あるとき山にいた人夫たちに、毎晩、早く山を下りないと大水が出るぞという声が聞こえてきたが、人夫たちは取り合わなかった。すると本当に大水が出て大勢が死んだ。イケジキという所の沼にすむ蛇が、そこから抜け出すために大水害を起こしたのだといい、三百人ほどが命を落とした。その供養に地蔵様を祀ったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
長野県史 民俗編 第3巻 3 (中信地方 ことばと伝承)(長野県史)
『長野県史 民俗編 第3巻(三) 中信地方 ことばと伝承』は、長野県史の民俗編のうち中信地方の巻から、伝説の章を抜き出したものである。木・石・水・塚・坂と道・城と屋敷・田と原・地蔵や観音・社寺・地名・禁忌などに分けて、松本・塩尻・安曇野・大町・北安曇・木曽に伝わる言い伝えを短い条で並べる。抜き出しの際に多くの条から採集地の表示が落ちており、土地の名が本文に書かれない条も少なくない。