子を取り返しに来た親狐
どんな伝承か
ある人が、七、八匹の子を連れた狐を見かけ、そのうちの一匹を捕まえて家に持ち帰った。逃げ出さないよう籠をかぶせておいたところ、夜になって母狐が家までやって来て、あたりを鳴き回った。そのせいで家の者は眠ることもできず、年寄りが子狐を返してやるよう諭したので、その人は子狐を親のもとへ放してやったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
滑川村史 民俗編(滑川村史)
『滑川村史 民俗編』は、埼玉県比企郡滑川村(今の滑川町)の村史の民俗編から、伝説と噂話の節を抜き出したものである。盗まれるのを拒んだ阿弥陀、生首八幡、福田鉱泉の始まり、河童の証文などの伝説と、オトウカ(狐)やムジナに化かされた話、三峯のオオカミ様、人魂や火柱などの噂話を、話者の地区とともに短い条で収める。沼と小高い山の多い村の、村人の身近な不思議の語りが中心である。