願求院の梁に記された黄金の歌
どんな伝承か
むつ市大平の浄土宗の寺、願求院は、昔東通の田屋村から大平へ移ってきたと伝えられる。江戸中期に建て直したとき、古い梁の札に、朝日がさし夕日が輝くその下に漆千杯・朱千盃・黄金万両がある、という意味の文句が書かれていたという。菅江真澄も旅日記にこの寺を記し、阿弥陀仏だけは昔のまま残っていると書いた。さらに別の日の記では、田屋村の林と最花の妙見の森の間の松林に横たわる六尺ほどの大石を、願求院の庵の跡で秀衡公が建てたしるしの石とし、梁の文句が指すのはこの場所だろうと推している。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
むつ市史 民俗編(むつ市史)
『むつ市史 民俗編』の口承の章から、下北に伝わる伝説と世間話を抜き出したものである。苫生野や田名部川の口碑、蠣崎氏や落人の宝の伝え、恐山の開基と天狗・霊話、常念寺の仏、横迎町の竜神と河童、行人塚、半太窪、飯綱の噂、奥内・関根・大湊・田名部の狐の話などを収める。菅江真澄の紀行の記事を引きながら、むつ市とその周りの土地の伝えをまとめている。