振り返って笑う娘とムジナ
どんな伝承か
狐にだまされてもいたずらされるくらいで済むが、ムジナにだまされると死ぬ、と昔からよく言われた。二十数年前、奥内のある若者が仕事で山へ向かう途中、美しい娘が現れて先を歩き、ときどき振り返ってはにこっと笑った。追いつこうと足を速めると、ふっと消えてしまう。若者は山から戻るとまもなく原因のわからない病にかかり、ほどなく死んだ。ムジナにだまされたのだろうという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
むつ市史 民俗編(むつ市史)
『むつ市史 民俗編』の口承の章から、下北に伝わる伝説と世間話を抜き出したものである。苫生野や田名部川の口碑、蠣崎氏や落人の宝の伝え、恐山の開基と天狗・霊話、常念寺の仏、横迎町の竜神と河童、行人塚、半太窪、飯綱の噂、奥内・関根・大湊・田名部の狐の話などを収める。菅江真澄の紀行の記事を引きながら、むつ市とその周りの土地の伝えをまとめている。