大蛇に化けて身を守った守り刀
どんな伝承か
春日の名主が用事で出かける際、家の守り刀を桐の箱に収めて持っていった。途中、寺の門で一休みしてまた歩き出し、だいぶ行ってから刀を置き忘れたことに気づいた。誰かに持ち去られてはいないかと気をもみながら引き返すと、向こうから来た人に出会った。門のあたりに桐の箱はなかったかと尋ねると、その人は青ざめて、あそこには大蛇がいて近寄れないと答えた。驚いて駆けつけると、刀は置いたとおりに箱の中にあった。盗まれぬよう刀が大蛇に化けて守っていたのだという。この刀には不動明王が彫られ、まったく錆びないそうだ。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
望月町誌 第2巻 (民俗編)(望月町誌)
『望月町誌 第2巻(民俗編)』の伝説の節を抜き出したものである。旧望月町(いまの佐久市)の集落ごとに、植物・石・清水と池・岩穴と塚・城と屋敷・田と原・地蔵や観音・稲荷・動物・巨人・化け物・禁忌・カッパ・地名の伝えを並べる。望月の駒と生駒姫、梅円坊の化け物退治、彦狭島王の王塚、長者原の長者、ゴマを作らない村々の言い伝えなどが見える。