白雲の珠となる珠取龍神
どんな伝承か
国道四十八号を関山峠へ向かい、乱川と泥沢川が合わさる所に五所山弁財天の道しるべが立つ。そばの青くよどんだ淵には珠取龍神の碑があり、雨乞いの神として近郷の信仰を集めてきた。日照りの年には上悪所の人々が総出で、鐘や石油缶、拍子木を打ち鳴らし、常緑の枝を振り、大雨を賜れと叫びながら一里ほどの道を練り歩いた。龍神は明け方、淵から丸い白雲の珠となって昇り、山腹の神宿りの松の上に座って下界を見渡し、夕方には再び白雲の珠となって淵へ帰るという。白雲は誰でも拝めるが、神の姿を見た者はいない。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
東根市史 別巻 上 (考古・民俗篇)
『東根市史 別巻 上(考古・民俗篇)』の伝説と民話の節を抜き出したものである。山形県東根市の藻が湖と東根・西根の地名、黒伏山の御穴と竜灯、御所山の天狗と甘露水、自牧寺の七妖怪と夢窓国師、マリア観音、若木神社の縁起、大滝の大カツラと乱川の起源、三ッ屋の竜灯や人形渕などの民話を、項目ごとの箇条で収める。