盗まれて大雨を降らせた雨地蔵
どんな伝承か
荷口には雨地蔵とも呼ばれる雨乞いの霊験あらたかな地蔵がある。昔、小川権蔵が赤沼のそばで、ごんぞ、ごんぞと呼ぶ声を聞き、沼に入って探ると石の地蔵が出てきた。巫女に神おろしを頼むと、雨乞いに効く地蔵だと告げられた。だが荷口は洪水に悩む土地なので、村の掟で他村の雨乞いに拝むことを禁じた。昭和のはじめの大日照りの年、地蔵は夜中に盗まれ、蔵増方面の村へ持ち去られた。取り返しに行った駐在と小川家の若い嫁は、村人がひざまずいて一心に拝む姿を見て連れ帰れなかった。翌日地蔵は晴れ着を着て駕籠で戻り、天童あたりは大雨でも荷口川はあふれなかったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
東根市史 別巻 上 (考古・民俗篇)
『東根市史 別巻 上(考古・民俗篇)』の伝説と民話の節を抜き出したものである。山形県東根市の藻が湖と東根・西根の地名、黒伏山の御穴と竜灯、御所山の天狗と甘露水、自牧寺の七妖怪と夢窓国師、マリア観音、若木神社の縁起、大滝の大カツラと乱川の起源、三ッ屋の竜灯や人形渕などの民話を、項目ごとの箇条で収める。