命と引き換えに村を救った琵琶池
どんな伝承か
昔、目は見えないが琵琶の名手が池のほとりで熱心に弾いていると、誰かが傍で聞いている気配がした。尋ねると池の竜神で、村人が池の水を汲み尽くして困るので洪水で懲らしめに出てきたが、あまりの腕前に聞きほれていたと明かし、この話を漏らせば命は無いと言った。琵琶弾きは恐れつつも、自分一人の命で済むならと村人に知らせ、皆は用心して難を逃れたが、その夜のうちに彼は姿を消した。池には琵琶が一つ浮かんでいたので、命を捨てて村を救った恩に感謝し、池を琵琶池と呼ぶようになったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
長野県史 民俗編 第5巻 総説 1 (概説)
『長野県史 民俗編 第5巻 総説1(概説)』のことばと伝承の章から、伝説の節を抜き出したものである。長野県全体の伝説を、デーラボッチャ・小泉小太郎・甲賀三郎・黒姫・八面大王・鬼女紅葉・ものぐさ太郎・弘法大師・白米城・早太郎・猫檀家・かっぱ・逆さ木・池の主・人柱・首塚などの題ごとにまとめ、本話のあとに県内各地の類話を地名つきで並べる。県史の地域編と重なる話も多い。