猫の恩返しで増えた法蔵寺の檀家
どんな伝承か
昔、千見のある家に不幸があり葬式を出そうとしたが、雨風が荒れて外へ出られなかった。そこへ旅の僧が現れ、小川村の法蔵寺の和尚に頼めば雨はやむと告げて消えた。頼んでみると無事に葬式を出せた。そのわけはこうである。法蔵寺の和尚は掛けておいた衣がいつも誰かが着たようになっているのを怪しみ、見張ると、猫が衣を着て裏山へ行き、仲間を集めて和尚のまねで説教をしていた。和尚は知らぬふりをしたが、見られた猫は姿を消した。その恩返しで、荒天の葬式も法蔵寺の和尚がこの衣で来れば無事に済むとされ、檀家が増えたという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
長野県史 民俗編 第5巻 総説 1 (概説)
『長野県史 民俗編 第5巻 総説1(概説)』のことばと伝承の章から、伝説の節を抜き出したものである。長野県全体の伝説を、デーラボッチャ・小泉小太郎・甲賀三郎・黒姫・八面大王・鬼女紅葉・ものぐさ太郎・弘法大師・白米城・早太郎・猫檀家・かっぱ・逆さ木・池の主・人柱・首塚などの題ごとにまとめ、本話のあとに県内各地の類話を地名つきで並べる。県史の地域編と重なる話も多い。