主人を守った猫と鼠を祀る遍照院
どんな伝承か
遍照院はもと乾長寺ともいった。住職が海に漂っていた子猫を拾って飼いならしたところ、隣の猫と力を合わせて年を経た鼠と戦い、主人の身を守った。この猫を手厚く葬って猫塚とした。古鼠は打ち殺して海に捨てようと担いでいくと、オダガヤとキンスの間で重くなって動かなくなったので、そこに捨てた。するとその夜、里の老人の夢に現れ、祀ってくれれば漁の守りになろうと告げたので、担いで帰って猫塚の脇に埋めて祀ったという。
原典より
昔、老猫が勘七の妻と子を喰殺して妻に化けた。—— 日本伝説名彙2 より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説名彙2
柳田國男監修『日本伝説名彙』の後半にあたる部分で、全国の伝説を地物の種類ごとに分けて集めた名彙である。塚の部(糠塚・七人塚・首塚・十三塚など)、坂・峠・山の部、谷・洞の部、屋敷・城趾の部(長者屋敷・朝日長者・白米城など)、祠堂の部(地蔵・薬師・観音・天神・八幡・稲荷・宮など)の各題の下に、府県・郡・村の所在地を頭に置いて各地の伝えを短く並べ、多くの条に出典の郡誌・伝説集の名を添える。