詩人の溺死にまつわる時雨の体験談
どんな伝承か
大正六年、詩人の三富朽葉は母と犬吠崎の別荘に避暑に行き、そこへ親友の今井白楊と三上於兎吉が訪ねてきた。三富と今井が遊泳中、今井が溺れかけたのを三富が助けようとして大波にのまれ、二人とも溺死した。歯が痛んで前日に東京へ帰った三上は難を免れた。長谷川時雨は赤城下の家にいたころ、鶴見から帰って勝手口から上がろうとすると、台所の板の間に今井白楊の顔がのそりと現れ、にっこり笑って消えた。その日の夕刊で二人の溺死を知り、時刻もちょうどその頃だった。通夜の帰りには鴨居の上に一尺もある今井の首が現れ、こちらを睨んだという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
あの世はあった―文豪たちは見た、ふるえた(三浦正雄・昭和50年代(1975年前後推定))
文豪たちの心霊体験(あの世はあった)/遠藤周作・三浦朱門の怪異/海外(フランス)での幽霊/怪音と怨念/あの世は存在するか