淵に現れて消える大和国船
どんな伝承か
与那城には気味が悪いほど底の深い淵があり、渡し船がそこを通るときは誰もが生きた心地がしなかったという。この淵を渡るには守るべき掟があって、頭巾を取り、ひざまずいて一言も口をきいてはならない。一人でもそれを破ると海水がみるみる高くなり、大波が立って船を進められなくなるとされた。掟の由来として、昔、大和の国の船が風に流されてここへ着き、淵を渡ろうとして海水に巻き込まれて沈み、乗っていた者が残らず溺れ死んだと語られている。以来この淵のあたりでは、晴れた日に必ず櫓の音や舟唄が聞こえ、帆を上げた大和国船が現れては、しばらくして跡形もなく消えるのだという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
心霊大全(中岡俊哉・2000年(平成12年))
『心霊大全――20世紀の超自然現象世界』は、中岡俊哉が二〇〇〇年(平成十二年)に著し、ミリオン出版から刊行した超常現象の総覧である。日本各地と世界各国の怪奇現象・伝説・心霊の地を県別・国別に紹介し、心霊写真・自動書記・憑依などの心霊現象、臨死体験と輪廻転生、透視・念力などの超能力、手かざしの治療を解説する。全六章から成り、巻末に著者インタビュー、著書・ビデオ作品一覧、あとがき、著者略歴を付す。