弟子の夢枕に立った水戸の老師匠
どんな伝承か
明治の末期、水戸下町の花柳界で名妓とうたわれた伊吉家の芸者、本名はったけという女性がいた。座敷を退いた後は某有力者の二号となり、阪東流の踊りを近所の商家の娘たちに教えた。パトロンの死後も弟子は多かったが、彼女の死後二十年を経て弟子たちがその夢を見るようになり、蓮乗寺で追善供養を営んだという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本怪談集 幽霊篇(今野圓輔・今野圓輔・日本怪談集・1969年(昭和44年))
『日本怪談集 幽霊篇』は、今野圓輔が昭和四十四年に編んだ幽霊体験談の集成である。新聞・雑誌・単行本や民俗の報告、編者自身の採集から、影や物音、人魂、生霊、死の知らせ、皿屋敷、戦死者の霊、船幽霊、タクシーに乗る幽霊など、日本各地の人びとが見聞きした怪異を、作家の創作を除き原文を尊重して再録する。十章に分けて各章の頭に編者の解説と注を置き、巻末に産女や子育て幽霊を論じた「幽霊外伝」と木原浩勝の解説を付す。