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尾之間の松林に出る菊女の亡霊

所在地鹿児島県熊毛郡屋久島町尾之間(菊女ガ松)
登場菊女、伝承の主人公
出典日本怪談集 幽霊篇

どんな伝承か

モッチョム岳のふもとの尾之間の村はずれに、アコウや松が茂る菊女ガ松と呼ぶ森がある。ある晩、酒に酔った尾之間の若者がその入口を通ると美しい女に出会い、吸い寄せられるように近づいたが、女は近づくだけ後ろへさがり、やがてかき消すように消えた。我に返ると若者は森の真中に立っていたという。二百年ほど前、尾之間の菊女は宮之浦の奉行所から来た若侍と契って身ごもったが、若侍は帰らぬまま、旧暦八月一五日の晩に思い出の松山で死んだ。村人はその松を菊女ガ松と呼び、誰も伐らない。

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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

日本怪談集 幽霊篇(今野圓輔・今野圓輔・日本怪談集・1969年(昭和44年))

『日本怪談集 幽霊篇』は、今野圓輔が昭和四十四年に編んだ幽霊体験談の集成である。新聞・雑誌・単行本や民俗の報告、編者自身の採集から、影や物音、人魂、生霊、死の知らせ、皿屋敷、戦死者の霊、船幽霊、タクシーに乗る幽霊など、日本各地の人びとが見聞きした怪異を、作家の創作を除き原文を尊重して再録する。十章に分けて各章の頭に編者の解説と注を置き、巻末に産女や子育て幽霊を論じた「幽霊外伝」と木原浩勝の解説を付す。

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