トップ > 岐阜県の伝承 > 高山市

霧の中で一人ふえた四人の隊列

所在地岐阜県高山市(双六小屋)
登場高久、松井、飯塚、同行者
出典日本怪談集 幽霊篇

どんな伝承か

霧に巻かれた裏銀座の稜線でのことである。四人のパーティーは疲れと空腹で口も利かず、黙々と歩いていた。最後尾を行く男がふと数えると、自分の前に四人の背中がある。自分を入れれば五人になる勘定だ。目をこすっても四人。すれ違ったパーティーも追い越したパーティーもなかったはずで、先頭の男が誰なのか分からない。声をかけそびれたまま急斜面を下り、双六池の西にある双六小屋へ着くと、先頭にいたはずの男の姿がない。敷居をまたいで真っ先に入るのを確かに見たのに、である。その夜、小屋番は、前の年この近くで五人組のひとりが道に迷って凍死したと語った。

地図で位置を見る

※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

日本怪談集 幽霊篇(今野圓輔・今野圓輔・日本怪談集・1969年(昭和44年))

『日本怪談集 幽霊篇』は、今野圓輔が昭和四十四年に編んだ幽霊体験談の集成である。新聞・雑誌・単行本や民俗の報告、編者自身の採集から、影や物音、人魂、生霊、死の知らせ、皿屋敷、戦死者の霊、船幽霊、タクシーに乗る幽霊など、日本各地の人びとが見聞きした怪異を、作家の創作を除き原文を尊重して再録する。十章に分けて各章の頭に編者の解説と注を置き、巻末に産女や子育て幽霊を論じた「幽霊外伝」と木原浩勝の解説を付す。

種別から探す

日本怪談集浮かばれざる霊山小屋凍死

高山市の伝承

同じ種別の伝承

同じ文献『日本怪談集 幽霊篇』の伝承