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七つ墓から飴を買いに来た母の霊

所在地沖縄県那覇市(七つ墓)
年代明治〜昭和
登場不明
出典沖縄怪談集 逆立ち幽霊

どんな伝承か

那覇の十貫地前と呼ばれるあたりで小間物屋を営む老婆の店に、ある宵、二十四、五の色白の女が飴を買いに来た。店じまいに売り上げを数えると金が足りず、金箱には死者に供える紙銭が入っていたので、老婆はあの女は幽霊だと直感した。翌晩も来た女の後をつけると、女は崇元寺近くの、亀甲墓が七つつながった七つ墓の中へ吸い込まれるように消えた。近所の若者たちが墓の扉を開けると、母の亡骸のそばの棺の中で男の赤ん坊が泣いていた。身ごもったまま死んだ母が墓の中で子を産み、飴を買いに通っていたのだろうという。赤子は墓の持ち主に引き取られ、法要をいとなむと霊は現れなくなった。

原典より

元気のいい若者たちが、七つ墓に行って、老婆の指差す墓の石のとびらを開いて入ってみると、棺桶の中に男の赤ちゃんが泣いていた。—— 沖縄怪談集 逆立ち幽霊(伊波南哲) より引用
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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

沖縄怪談集 逆立ち幽霊(伊波南哲)

『沖縄怪談集 逆立ち幽霊』は、石垣島で育った詩人の伊波南哲が、新聞や雑誌に書いた話と書きおろしを合わせ、沖縄の怪談を物語風に綴った怪談集である。那覇の辻遊廓や一日橋、首里、石垣島・竹富島などを舞台に、遊女や捨てられた女の幽霊、遺念火、キジムナー、お化け封じの術を描き、戦後のタクシー幽霊の噂や東京で起きた位牌の嫁入りの話も取り上げる。題を付けた二十二話のあとに「怪談断片集」を置き、少年時代を語る「果たして幽霊はいるのか」で結ぶ。

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