天橋立の文珠堂に寄る龍燈と天燈
どんな伝承か
丹後の天橋立では、毎月十六日の夜半ごろ、北東の沖から龍燈が現れて、文珠堂のほうへ浮かび寄ってくるという。堂の前には一本の松があり、龍灯の松と呼ばれている。また正月と九月の十六日の夜には、空から一つの灯が降りてくるので、これを天燈と呼ぶと諸国里人談は伝えている。不知火に似た現象の一つとして挙げられている。
原典より
丹後阈輿謝郡天橋立に毎月十六日夜牛のころ丑寅の沖より龍燈現し文珠堂の方にうかみよる。—— 炉辺叢書 筑紫野民譚集(及川儀右衛門・1923年(大正12年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
炉辺叢書 筑紫野民譚集(及川儀右衛門・1923年(大正12年))
『炉辺叢書 筑紫野民譚集』は、及川儀右衛門が筑紫野で暮らした二年ほどの間に、土地の故老や下宿の老婆から聞いた話、教え子が書き送ってきた物語を文献とも照らしてまとめた民譚集である。筑後を中心に筑前・肥前・肥後・豊前・豊後の河童、怪火、長者の話、神事と歌舞、山と水の伝奇、狐狸や幽霊の怪異を六篇に分けて収め、多くの話に古記録を引いた〔註〕を添える。序の日付は大正十二年六月である。