人が牛に化した真似牛済度
どんな伝承か
幽霊は主として人間に限られ、生前のその人の姿をもって出現すると信じられている。ただし、幽霊が下半身を朦朧とさせ、両手を胸のあたりに垂れ、髪を乱している姿は、江戸期以来の絵画や絵巻・浮世絵、それに芝居の演出の影響によるところが大きい。古い物語には藤原実方の霊が雀になり、頼豪が鼠に化し、人が鬼に化した例があり、宮城県では、人が牛に化したという小牛田の真似牛済度の話が有名である。ただし著者は、これを第一次的民俗資料からは除外しておくと断っている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
宮城県史 民俗編(茂木徳郎(「妖怪 幽霊」の章)・宮城県史シリーズ)
『宮城県史 民俗編』は宮城県の県史の民俗編で、ここに収めるのは茂木徳郎が執筆した章「妖怪 幽霊」である。山・道・木・水・海・雪・家など出現の場所による分類に沿って妖怪変化を論じ、幽霊とヒトダマ・死霊・生霊の観念を考えたうえで、県内の妖怪・幽霊・動物変化の伝承を郡・町村名を添えて集める。序説・本論・事例篇・参考の順に並び、序説では昭和二十四年の迷信調査と昭和三十年のNHK仙台中央放送局の調査にも触れる。