月の上に出た銀白色の虹
どんな伝承か
昭和七年十月十六日午後六時五十八分、東の空高くまん丸い月が輝き出した折、埼玉県熊谷町の西方、地平線上から十七度五分の高さに、銀白色の虹が半円形を描いて浮かんでいるのを熊谷測候所の大地技師が発見した。虹はおよそ二十五分間で消えたが、雨上がりの空で強い月光が雨粒に分散されて生じたものであり、地上からの観測は全国で最初とされる、稀有な天界の奇現象だった。
原典より
この銀色の虹は、およそ二十五分間で消え去ったが、それは雨上りの空に、強い月光が雨粒に分散されて出たものであって、地上から観測したのは、それが全国で最初とされるほど、稀有の天界奇現象とのことであった。(報知新聞)—— 日本怪奇集成-明治大正昭和篇(富岡直方 編著) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本怪奇集成-明治大正昭和篇(富岡直方 編著)
『日本怪奇集成-明治大正昭和篇』は、富岡直方が編んだ怪奇実話集である。明治元年から昭和七年までに各地で起きた幽霊や狐狸の怪、畸形や奇病、天変や奇瑞、世相の珍事を、当時の新聞・雑誌の記事と筆者自身の聞き書きから集めている。明治・大正・昭和の三篇に分け、話ごとに年月を掲げて通し番号を振り、新聞記事を引いたうえで紙名を末尾に添える形を基本とする。