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おこりを起こす一本足の餓鬼

所在地京都府京都市
年代伝承(口承)
登場五の宮、餓鬼に水を与えた親王
出典幽冥界研究資料 第二巻 靈怪談淵

どんな伝承か

平安朝のころ、京都に住む五の宮という親王が、ある静かな晩にひとり寝殿にいると、背丈一尺七、八寸ほどの一本足の人のような怪物が現れて前に座った。何者かと問うと、自分は餓鬼で、世のおこりという病はみな自分が人に憑いて水を飲むために起こすのだが、近ごろ人々が宮の書や念誦を身につけるので寄りつけず、渇きに耐えられない、助けてほしいと訴えた。哀れに思った宮が手洗い鉢をのぞかせると、餓鬼は喜んで水を飲み干したが、いくら飲んでも足りないという。宮が印を結んだ指を口に差し入れると強く吸いつき、宮は全身の精気を吸い取られるような苦しさを覚えたので、指を抜いて別の印を結ぶと元の気分に戻ったという。

原典より

丈は一尺七八寸ほどの一本足の人間のやうな怪物が、蓋をあげて御前に出て來て坐つた。—— 幽冥界研究資料 第二巻 靈怪談淵(岡田蒼溟・幽冥界研究・怪談) より引用
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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

幽冥界研究資料 第二巻 靈怪談淵(岡田蒼溟・幽冥界研究・怪談)

『幽冥界研究資料 第二巻 靈怪談淵』は、岡田蒼溟による霊怪の事例集である。祟る石、出雲の瀧姫行者、神西湖の妖怪、但馬の抜け首、黄金の精、海の牛鬼、天狗などの怪異を、著者自身の見聞や知人の談話、古い文書からの移載によって集め、明治・大正期の出雲や松江周辺の事例を多く含む。項目によっては【解題】や註を添え、事例の後に「第二編」と附録の「天狗考」を続け、巻末の「解説の欄」で生霊・疫神・物体の飛来などを心霊研究の立場から論じる。

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