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夜店の橘を取り寄せた広島の憑神の妻

所在地広島県広島市
年代伝承(口承)
登場金本保吉、千里寄せをした女性の夫(天霊教会員)
出典幽冥界研究資料 第二巻 靈怪談淵

どんな伝承か

大正七年ごろ、広島市に天霊教会員の金本保吉という人がいて、その妻に神が憑く力が現れ、千里寄せをたびたび行った。妻が無我に入り気合いをかけて合わせた手を開くと、菓子や餅、守り札、子どもの玩具などが現れ、どれも本物で食べたり遊んだりできた。それを手に返して気合いをかけると消えた。ある縁日の夜、夜店の植木を一本取り寄せると言って二尺あまりの橘を手中に現したが、後で聞くと、その植木屋へ一人の女が来て金を払って買っていった品だった。その夜、妻は人々と一緒にいて一歩も外へ出ていなかったので、買いに来た女は妻を守る霊の化身とされたという。

原典より

該婦人が、無我に入り、ヱッと懸撃をして、その合掌した手を開くと、菓子や餅や守札又は小児の玩具などが実現し、その菓子でも玩具でも皆実際のものであつて、食ひ又は翫弄が出来る。—— 幽冥界研究資料 第二巻 靈怪談淵(岡田蒼溟・幽冥界研究・怪談) より引用
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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

幽冥界研究資料 第二巻 靈怪談淵(岡田蒼溟・幽冥界研究・怪談)

『幽冥界研究資料 第二巻 靈怪談淵』は、岡田蒼溟による霊怪の事例集である。祟る石、出雲の瀧姫行者、神西湖の妖怪、但馬の抜け首、黄金の精、海の牛鬼、天狗などの怪異を、著者自身の見聞や知人の談話、古い文書からの移載によって集め、明治・大正期の出雲や松江周辺の事例を多く含む。項目によっては【解題】や註を添え、事例の後に「第二編」と附録の「天狗考」を続け、巻末の「解説の欄」で生霊・疫神・物体の飛来などを心霊研究の立場から論じる。

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