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美声を三十日貸した歌い手と異人

所在地大阪府大阪市住吉区
年代不明
登場体験者、伝承者
出典幽冥界研究資料 第二巻 靈怪談淵

どんな伝承か

大阪に住む、非常に美しい声を持つ歌い手のもとへ、ある日見知らぬ風体の人物が現れ、その声を三十日ほど貸してほしいと頼んだ。軽い気持ちで承知すると、翌日から声がつぶれて歌えなくなってしまった。祈念のため住吉神社へ向かう途中、再びかの異人が現れ、あと三十日辛抱すれば声を返すときに良い呪禁法を授けようと告げた。三十一日目、異人は約束通り訪れて声を返し、呪禁法を伝授した。その日から元の美声が戻り、この呪禁が病に効くというので、後にはそれを生業にしたという。

原典より

或る日、見知らぬ風態の人物に會つたが、その人が、そなたの声を三十日許り借りたいと言つた。—— 幽冥界研究資料 第二巻 靈怪談淵(岡田蒼溟・幽冥界研究・怪談) より引用
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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

幽冥界研究資料 第二巻 靈怪談淵(岡田蒼溟・幽冥界研究・怪談)

『幽冥界研究資料 第二巻 靈怪談淵』は、岡田蒼溟による霊怪の事例集である。祟る石、出雲の瀧姫行者、神西湖の妖怪、但馬の抜け首、黄金の精、海の牛鬼、天狗などの怪異を、著者自身の見聞や知人の談話、古い文書からの移載によって集め、明治・大正期の出雲や松江周辺の事例を多く含む。項目によっては【解題】や註を添え、事例の後に「第二編」と附録の「天狗考」を続け、巻末の「解説の欄」で生霊・疫神・物体の飛来などを心霊研究の立場から論じる。

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