浅草の高座に上がった英国人落語家
どんな伝承か
ロンドン生まれのジョージ・ブラックは、欧米人が最も苦手とする日本語を身につけ、日本人以上に巧みに話しただけでなく、話し言葉のうちで最も難しいとされる落語まで修めた。そして職業の落語家として高座に上がり、大衆の前でその腕前を披露した。著者も戦前、浅草の演芸館などでこの英国人落語家の噺を何度か聞いている。日本人の落語家と同じく紋付羽織で高座に上がり、毎度どうもばかばかしいお話を申し上げまして、などと切り出す語り口は、実に堂々としたものだったという。
原典より
現在、ラジオ・テレビのタレントとして、大いに活躍しているロイ・ジェームズやジョージ・ルイカーなどは、日本人以上に日本語がうまく、声だけ聞いていると、どうしても外人とは思えない。—— 奇談千夜一夜(庄司浅水・現代教養文庫・1969年(昭和44年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
奇談千夜一夜(庄司浅水・現代教養文庫・1969年(昭和44年))
『奇談千夜一夜』は、庄司浅水が一九六九年に現代教養文庫の一冊として編著した世界の奇談集である。世界各地の奇習、難破船や蘇生の奇談、世界一の記録、奇妙な裁判や脱獄、奇人の逸話、珍しい動植物の話を、リプレーの『信じようと信じまいと』やストーラーの『驚くべきことだが事実だ』などを種本に集める。奇習・奇談・奇録・奇聞・奇人・動物と植物の部に分け、奇人の部はさらに四つに分け、各国の別れの挨拶を紹介する「さようなら」で結ぶ。