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麹室の不審火と真っ先に疑われた男

所在地福島県郡山市守山町
年代享保19年(1734)
登場源五右衛門、新右衛門、麹室から出火した守山町の家の主
出典疫病と狐憑き-近世庶民の医療事情

どんな伝承か

享保十九年、守山町の新右衛門の麹室から火が出た。不審火であったため、まっさきに嫌疑がかかったのは、新右衛門の姉の婿にあたる須賀川の源五右衛門であった。源五右衛門は乱心の者と見られていたのである。詮議はすぐに済み、無実であることが判明した。乱心の者が疑われた背景には、気の触れた者は何をしでかすか予測がつかない危険な人間だという、当時の人びとの不安と、ひとまとめにした見方があった。乱心の者は保護と同情を与えられるべき存在とされる一方で、それ以上に恐れられていた。

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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

疫病と狐憑き-近世庶民の医療事情(昼田源四郎・昭和中期(推定))

本書は江戸時代の陸奥奥州守山藩領における『御用留帳』を史料とした、近世農村の医療事情と心霊現象の研究である。狐憑きや物付きなどの精神疾患が、祈禱や指籠入れ(座敷牢)によって治療された実例を14件詳述する。天明・天保の飢饉や流行疫病(疱瘡、麻疹、コレラ等)への対応と並行して、乱心者の社会的処遇、責任能力の鑑別問題、欠落(逃亡)との区別が論じられている。

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