舜馬順熙王と辺戸の女神の縁結び
どんな伝承か
糸満市のユタ伊識春野さんは、頭に浮かぶ霊示を琉歌の形でノートに書きとめている。花とうぐいすを詠んだ一節は、初めて人助けを許されたときの神のお告げで、舜馬順熙王と国頭の辺戸にまつられる女神との縁を結べという意味だった。まだ神ダーリーの最中で、昔のことなど何も知らなかった伊識さんは戸惑ったが、霊示に従うと決めた。すると神が次々に教えを授け、王は旧屋我地村の奥武のマルマイという所に、女神は辺戸の佐久間家にまつられていると分かり、その導きどおりに縁結びのウグワンを果たせた。これが伊識さんにとって最初の神ごとになったという。
原典より
この文に託された霊示は、昔につながることで、ひとくちにいうと、舜馬順き王と、国頭辺戸にまつられている女神との縁結びをしてあげなさい、というものです。—— ユタと霊界の不思議な話(月刊沖縄社) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
ユタと霊界の不思議な話(月刊沖縄社)
『ユタと霊界の不思議な話』は、月刊沖縄社が編んだ、沖縄の霊能者ユタについての取材記録である。那覇など都市地区の有名なユタへの取材をもとに、持ち込まれる相談、ユタになったいきさつ、マブイと霊界の考え方、十二支寺や拝所巡拝の意味を問答の形で記し、依頼者の体験談も添える。序章の体験談と四つの話に続いて、ユタを母に持った子の手記、霊示を書き取る人の話、有名霊能者百二十人の一覧、用語説明を収める。