観音寺坂トンネルの先で消えた白い車と女
どんな伝承か
滋賀県長浜市と山東町の境にある観音寺坂トンネルでの体験談。昭和五十二年頃、Mさん(当時三十六歳)が夕方、山東町から乗用車でトンネルを抜けると、道の片側に白い乗用車が止まり、白っぽいワンピース姿の若い女性が立っていた。人を待っているのだろうと思い徐行して通り過ぎたが、バックミラーに何も映らないので不思議に思って振り返ると、車も女性も消えていた。後で聞くと、その場所でかつて車の事故があり、運転していた若い娘が亡くなっていたという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 ― 偽汽車(松谷みよ子・現代民話考(ちくま文庫)・2003年(平成15年))
『現代民話考――偽汽車』は、松谷みよ子が編んだ『現代民話考』全十二巻の第三巻で、二〇〇三年一月付の文庫版まえがきを持つ筑摩書房の文庫版である。鉄道開通のころ狸や狐が汽車に化けたという偽汽車の話、船幽霊や幽霊船など海の怪談、タクシーの幽霊など自動車や列車の怪談と笑い話を、全国の回答者の聞き書きや新聞・雑誌・書籍から集める。三章それぞれの冒頭に考を置き、話ごとに本文と分布を並べて地名・話者・出典を添える。