往生の証に揺れた本堂の瓔珞
どんな伝承か
滋賀県東浅井郡びわ町のNさんが五十代の頃の体験。信仰心の篤い門徒の老人が亡くなり、供養が十分か気にかかったNさんは本堂で「往生していたら本尊右側の瓔珞が揺れますように」と念じながら長い経を上げ始めた。すると経の途中で本当に瓔珞が揺れ出し、恐ろしくなって「分かりました、お静まりください」と念じると揺れは止んだという。のちに妻から聞いた話である。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 ― 死の知らせ・あの世へ行った話(松谷みよ子・民話・口承文芸・2003年(平成15年))
『現代民話考 ― 死の知らせ・あの世へ行った話』は、松谷みよ子が編んだ現代の民話の聞き書き集で、二〇〇三年一月付の文庫版まえがきを持つ筑摩書房の文庫版である。一九七八年に発刊された『民話の手帖』を通じて全国から寄せられた回答を中心に、臨死体験、死の知らせ、寺へ来る死者、生まれかわりの話を収める。「あの世へ行った話」「死の話」「生まれかわり」の三章の冒頭に編者の論考を置き、細目ごとに所在地・話者・出典を添えた類話を並べる。