山道でタヌキをひいた届け出
どんな伝承か
山形新聞が伝えた話である。飯豊町の山道でタヌキをひいてしまったAさんが、これは交通事故になるのでしょうかと、まるまると太ったタヌキをぶら下げて長井署へやってきた。何でも山から転げ落ちるように車にぶつかってきたのだという。正直なAさんは死亡事故になると思い、自ら届け出てきたのだった。ひいたのがタヌキと分かった時は、これは夕飯のご馳走と喜んだのですが、と浮かぬ顔をしていたが、そういう場合は県に届け出ればよいという署員の説明に一転して大喜びし、タヌキ汁はおろか剝製にしてやると大はしゃぎであった。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 ― 偽汽車(松谷みよ子・民話・口承文芸・昭和〜平成)
松谷みよ子『現代民話考 ― 偽汽車』を小話単位で全525話収録。汽車・船・自動車などの乗り物にまつわる現代の民話・怪談を全国から採集。狐狸が汽車に化ける偽汽車、船幽霊、タクシーに乗る幽霊などを地域・話者つきで収録する。各話に採集地(都道府県・市区町村)と話者・回答者を可能な範囲で付す(県判明496話・市区町村判明359話、戦地や場所不明の話を含む)。原典は読者からの投稿・採訪に基づく現代民話の集成。