午前二時に庭を指して泣いたひ孫
どんな伝承か
宇治市木幡南山の話。昭和七年頃、大阪にいるおばあさんに何人かひ孫ができたが、京都にいるひ孫だけを見ていないので、見たい見たいと言っているうちに危篤となった。その頃、京都のひ孫の家では、母親が夜に添い寝をしていると、毎夜午前二時の時報を柱時計が打つと同時に、ひ孫が火のついたように泣き出した。そして庭の片隅を指さして連れて行けとねだり、抱いて行くと静かになって寝入る。それが三日三晩続いた翌朝、大阪からひいおばあさんが亡くなったと電報が来た。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 ― 死の知らせ・あの世へ行った話(松谷みよ子・民話・口承文芸・2003年(平成15年))
『現代民話考 ― 死の知らせ・あの世へ行った話』は、松谷みよ子が編んだ現代の民話の聞き書き集で、二〇〇三年一月付の文庫版まえがきを持つ筑摩書房の文庫版である。一九七八年に発刊された『民話の手帖』を通じて全国から寄せられた回答を中心に、臨死体験、死の知らせ、寺へ来る死者、生まれかわりの話を収める。「あの世へ行った話」「死の話」「生まれかわり」の三章の冒頭に編者の論考を置き、細目ごとに所在地・話者・出典を添えた類話を並べる。