辻で疫神を祓う県神社の大幣神事
どんな伝承か
京都府宇治市蓮華の県神社では、毎年六月八日に「大幣神事」が営まれる。平安時代から続く道饗祭、つまり疫病神を祓う祭りで、三メートルを超える大きな幣が町を巡ることからこの名がある。巡行の途中、町の辻に差しかかるたびに大幣を立て、幣串で地面を搗く所作をして、辻に集まる疫神を祓い清める。そのあと大幣に綱をかけて引きずりながら宇治橋まで一気に進み、橋の上で壊して川へ投げ込み、振り返らずに帰る。災いや悪疫を大幣に託して流し、村の安泰を願う行事とされる。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
暮しの中の妖怪たち(岩井宏実・岩井宏実・民俗学・1986年(昭和61年))
『暮しの中の妖怪たち』は、岩井宏實が昭和六十一年に著した妖怪の概説書である。鬼・天狗・河童から山姥、産女、雪女、怪火、ザシキワラシ、化け猫、狐狸、幽霊まで、各地の伝承や古典・絵画に見える妖怪を一つずつ取り上げ、その姿と仕業を説く。第I章で個々の妖怪を紹介し、第II章で妖怪の性格、出現の空間と時、正体を論じ、巻末に著者が資料とした妖怪の本の一覧とあとがきを置く。