死者を寝かせた布団に出る女
どんな伝承か
知人から聞いた話である。ある男が友人の扱う真新しい布団を格安で手に入れた。それは葬式のとき死んだ人を寝かせた布団だと承知の上で、金がなかったから買ったのだという。買って何日かたつと、眠っていて体がやけに重く、布団の上から何かが乗っている気がして動けない夜が続いた。ある夜、悲しげな女の声が聞こえ、顔の横に人の気配を感じると、勝手に開いた目のすぐ横で、悲しげな顔の女がじっと彼を見ていた。翌朝、男は布団を友人に返し『金はいらないから引き取れ』と言った。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 ― 死の知らせ・あの世へ行った話(松谷みよ子・民話・口承文芸・昭和)
松谷みよ子『現代民話考 ― 死の知らせ・あの世へ行った話』を小話単位で全699話収録。死の知らせ・予兆、あの世(地獄・極楽)へ行った話、死者からのサイン、生まれかわりなど、生死とあの世にまつわる現代の民話を全国から採集し地域・話者つきで収録する。各話に採集地(都道府県・市区町村)と話者・回答者を可能な範囲で付す(県判明606話・市区町村判明489話、戦地や場所不明の話を含む)。原典は読者からの投稿・採訪に基づく現代民話の集成。