阿嘉島の白旗と敵味方の会食
どんな伝承か
昭和二十年六月、沖縄本島から約四十キロ離れた阿嘉島に米軍が白旗を掲げて会見を呼びかけた。島には日本兵三百八十人、朝鮮人軍夫百人余、住民五百人がいたが、戦況も通信もつかめないまま、野田義彦少佐は通敵罪による銃殺を覚悟して会見に応じた。六月二十六日午前、野田少佐ら五十人と米側のクラーク中佐ら代表が対面し、はじめての敵味方の会食が行われたという。
原典より
○青森県、弘前東部第五十七部隊。—— 現代民話考 ― 軍隊(松谷みよ子・民話・口承文芸) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 ― 軍隊(松谷みよ子・民話・口承文芸)
『現代民話考 ― 軍隊』は、松谷みよ子が編んだ、軍隊と戦争をめぐる現代の民話の集成である。日本民話の会の雑誌『民話の手帖』での呼びかけやアンケート、聞き書きによって寄せられた話をもとに、十五年戦争を中心に徴兵検査から新兵のしごき、戦地、虐殺や飢え、敗戦、収容所、戦犯、軍隊生活の怪談までを収める。巻頭に序文「明日の民話のために」と論考「軍隊考」を置き、十三の部に分けた各話の末に話者と回答者の名と在住地を記す。