収容所の穴掘りと腰上げの便所
どんな伝承か
沖縄県の屋嘉収容所での話。収容所に武器を持ち込ませないため、全裸にされてずらりと並ばされ、粉石鹸を振りかけられた。あとはホースで散水され、タオルがないので乾くまで待つ。間もなくショベルで穴を掘れと命令され、最後の時かと黙々と掘ると、電柱二本をその穴にかけろという。便所だった。裸の男がずらりと並んで用を足すが、便が落ちるとはね返ってくるのでぱっと腰を上げる。あっちでもこっちでもリズミカルに腰あげルックだったという。
原典より
○青森県、弘前東部第五十七部隊。—— 現代民話考 ― 軍隊(松谷みよ子・民話・口承文芸) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 ― 軍隊(松谷みよ子・民話・口承文芸)
『現代民話考 ― 軍隊』は、松谷みよ子が編んだ、軍隊と戦争をめぐる現代の民話の集成である。日本民話の会の雑誌『民話の手帖』での呼びかけやアンケート、聞き書きによって寄せられた話をもとに、十五年戦争を中心に徴兵検査から新兵のしごき、戦地、虐殺や飢え、敗戦、収容所、戦犯、軍隊生活の怪談までを収める。巻頭に序文「明日の民話のために」と論考「軍隊考」を置き、十三の部に分けた各話の末に話者と回答者の名と在住地を記す。