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伊達侯の蔵屋敷で撃ち止めた河童

所在地東京都江東区
年代伝承(口承)
登場松本豆州、曲淵甲斐守、河童の図を持参した報告者、同じ図を見たと証言した人
出典耳嚢(みみぶくろ)

どんな伝承か

天明元年八月、江戸の仙台河岸にある伊達侯の蔵屋敷で河童を打ち殺し、塩漬けにしてあるという話を、実際に見た者から聞いたとして、松本豆州がその図を持ってきた。わけを尋ねると、この屋敷では子どもなどがよく水に落ちるので、怪しんで堀の内の淵と呼ばれる所をせき止め、水を替えて干してみたところ、泥の中を風のような速さで潜って動くものがいた。ようやく鉄炮で撃ち止めたのだという。そばにいた曲淵甲斐守も、以前に河童の図を見たことがあるが、豆州の持参した図と少しも違わないと言った。

原典より

右屋舗にて小児などなく入水せしが、怪む事ありて右堀の内淵ともいへる所を堰て水を替へ干けるに、泥を潜りて早き事風の如くもの有り。—— 耳嚢(みみぶくろ)(根岸鎮衛・江戸随筆・怪異・1809年(文化6年)) より引用
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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

耳嚢(みみぶくろ)(根岸鎮衛・江戸随筆・怪異・1809年(文化6年))

『耳嚢(みみぶくろ)』は、根岸鎮衛(守信)が勤めの合間に古老や訪ねて来た人から聞いた話を書き留め、佐渡在勤のころからまとめ直して文化六年仲秋に結びを付した随筆である。武家・町人の逸話や奇談に加え、狐・狸・幽霊・妖獣などの怪異、羽蟻や虫歯・ものもらいを治めるまじない、薬の秘法を、一項ずつ題を掲げて記す。この本文は著者の自叙と巻之一から巻之十まで(巻之四を欠く)の抜粋で、巻末に著者の結びと『耳嚢副言』の一部を置く。

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