怪談師の見た幽靈
どんな伝承か
明治十三年、大阪から東京に出た落語家の菊壽は浦賀の朝日亭で興行中、昼間に釣りに出かけていた。毎日河豚ばかりが釣れて他の魚は釣れず、ついに釣った河豚を楽屋に持ち帰り自分で調理して食べた。その夜半から異変が起こるという怪談で、男性の幽霊が関わる話である。
原典より
明治十三年に大阪から上京した落語家菊壽が浦賀の朝日亭に興行に行き毎日昼の内釣に行くと河豚ばかり掛つて外の魚は釣れなかつた、今日こそは最う釣は出来ぬと釣れた河豚を楽屋へ持つてきて、手料理で食した。—— 幽霊は語る(梶天真・1938年(昭和13年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
幽霊は語る(梶天真・1938年(昭和13年))
『幽霊は語る』は、梶天真が昭和十三年に編んだ幽霊譚と幽霊論の集成である。葬送の習俗や海外の霊魂観から説く幽霊思想、幻覚や網膜の作用による幽霊の説明、乃木大将や許斐大尉の見た幽霊などの実話、古典や伝説に現れる男女の幽霊・怨霊・生霊、幽霊写真、化物屋敷、霊界通信を集める。三篇に分かれ、第二篇は幽霊を男女・怨霊・生霊・小児の見た幽霊・食物に縁ある幽霊・前知らせなど八項に分類し、巻末を夕張と筑前の幽霊問答で結ぶ。