飲ませた薬を言い当てた女行者
どんな伝承か
大正四年、横須賀の女行者石井ふゆの霊視を試していた著者浅野和三郎が、ある晩ふゆの教会を訪ねると、ふゆはいきなり、今日お宅の坊ちゃんに白い薬を飲ませたでしょう、あれは重曹とセメンエンを半々に混ぜたものだが、虫はいないので残りの一服は飲ませずにおきなさいと言った。実際その日、著者の家では便秘を回虫のせいと考え、病院からもらった薬の一服を子に飲ませていた。言い当てられて驚いた著者は、翌日陸軍病院の軍医に子の便を何度も検べてもらったが、回虫の卵は一つも見つからなかった。
原典より
あれは重曹とセメンエンとが半々に混ぜたものですが、蟲は居ませんから、後の一貼は服ませずに置いてください—— 心靈講座(浅野和三郎・心霊研究・講座・1928年(昭和3年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
心靈講座(浅野和三郎・心霊研究・講座・1928年(昭和3年))
『心靈講座』は、浅野和三郎が昭和三年に著した心霊研究の講義書である。催眠現象から人間に霊魂が宿ることを説き起こし、欧米の心霊研究の歩みをたどったうえで、物質化・心霊写真・直接談話・卓子浮揚・物品引寄・霊視・霊言・自動書記の各現象を、クルックスやモーゼスらの実験と記録に拠って検討する。第一講から第十講までと結論から成り、結論では心霊研究が人生や信仰に及ぼす影響を論じ、新霊魂説の七大綱領の訳を載せる。