二 靈視能力の實驗並に體驗
どんな伝承か
浅野和三郎が霊視能力について論じた講述。霊視能力とは西洋でクレールヴォヤンスと呼ばれ、肉眼に映らぬ物象を観る能力だという。主観的なもので、当人は瞑目して箱の中や遠方を透視し、第三者は結果の正否を確かめるほかない。能力の差は大きく、幻覚と区別のつかぬ不完全なものから的確明瞭なものまであるとする。座客の肉体を透視して疾病を語る者、百里千里先の実況を報告する者があり、スウェーデンボルグが三百マイル彼方のストックホルムの大火を目撃した例を挙げる。著者自身も要求に応じて特定の人物や場所を迅速に観測させた実験を重ね、これが自らを霊魂論者へ豹変させた体験だったと述べる。
原典より
距離はさながら存在を失びたるが如く、所要の目的物がポカリと眼底に浮び出づ。—— 心靈講座(浅野和三郎・心霊研究・講座・昭和(戦前)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
心靈講座(浅野和三郎・心霊研究・講座・昭和(戦前))
第一講 肉体と霊魂(霊魂問題の科学的考察・催眠術と思想伝達能力/記憶能力/暗示説・生理解剖学と霊魂説・人体は幽霊の宿)に始まり、新霊魂説の擡頭、霊視現象・霊言現象・自動書記現象の検討、結論まで全十講を体系的に収録。各項目の冒頭に【日付】【場所】【人物】【状況】マーカー付きで、近代日本心霊研究の代表的講座を網羅した。