白狐に小便をかけて高熱を出した子
どんな伝承か
渋川の坂下稲荷には、願いがかなったお礼に白狐の像を一対ずつ納める習わしがあり、社の棚にはそれがずらりと並んでいる。大正の初めのころ、近所のいたずら坊主がこの白狐を盗み出し、小便をかけた。その晩、子どもはひどい熱を出し、生きるか死ぬかの境をさまよった。困り果てた親が神主に相談すると、すぐに白狐に油揚げを供えて祈るよう言われた。言われたとおりにすると、子どもは二、三日で治ったという。今でもときおり油揚げが供えてある。
原典より
大正初期のこと、近所の腕白小僧がお白狐様を盗んで小便をかけた。—— 渋川市誌 民俗編(市史編纂シリーズ) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
渋川市誌 民俗編(市史編纂シリーズ)
『渋川市誌 民俗編』は、渋川市の市誌民俗編のうち、第六章「民俗信仰」の第一節から第五節の初めまでを収めたものである。人魂・幽霊・ロクロッ首・生まれかわり・死神などの霊魂の話、手をつけてはいけない聖地や耕すと祟る忌地、オサキ使いや狐つき、神かくし、若宮八幡などのたたり、イチッコと呼ばれる巫女や祈禱師、東向き鳥居参りなどの祈願を、市内の大字ごとの聞き書きで記す。はじめにで章全体を解説し、続く節では話に見出しと採集地の大字を添える。