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放生津物語

所在地富山県射水市放生津町(諏訪神社)
年代近世〜近代
登場不明
出典日本の怪談(二)

どんな伝承か

越中の放生津の町なかにある、松や榎の飛び飛びに生えた草原は、町の子供の遊び場だった。その中ほどの枝の禿びた榎の古木の下に、お諏訪様と呼ばれる小さな祠があり、そぎ葺きの屋根も朽ちて木連格子は黒ずんでいた。初夏の夕方、沢蟹を追っていた五、六人の子供が祠の前で戦ごっこに飽き、草の上に腰をおろして怪談を語り合った。神通川のほとりのあんねん坊の麓に出るという小百合のぶらり火の話、放生の湖に棲み川幅が狭くて海へ出られない亀の主の話、湖で寝ているうちに自分が黄色い大きな鮒になって龍宮のような御殿へ行った男の話などである。

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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

日本の怪談(二)(田中貢太郎・日本の怪談シリーズ)

『日本の怪談(二)』は、田中貢太郎が著した怪談・奇談の短編集である。著者の郷里である土佐の高岡郡や長岡郡の山村の話を多く含み、越中の放生津や立山、利根川の河口、館林の城下、江戸の碑文谷などを舞台に、蟹や蛇の怪、鮭の祟り、山姑、亡者宿、切支丹の処刑にまつわる怪異を物語の形で書く。「蟹の怪」から「鶏物語」まで二十八篇を収め、友人から聞いた話として語る篇もある。

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