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夢告で見つかった左甚五郎作の大黒天

所在地栃木県栃木市大平町富田
年代大正11年頃
登場藤沼武雄、丈兵衛、弁護士、藤沼武雄の祖父・大黒天を盗まれた代の当主
出典日本怪談実話

どんな伝承か

小石川富坂署長を辞めて小日向水道町で弁護士を開いていた法学士藤沼武雄は、郷里の栃木県都賀郡富山村大字富田にある旧宅を取り壊して建て直そうとしていた。その旧暦大晦日の夜、亡父の居間だった部屋の神棚から衣冠束帯の者が現れ、普請をするなら神様の像を粗末にするなと告げる夢を見た。旧宅へ赴いて神棚を片づけると、奥から古びた大黒天像が七体見つかった。汚れをソーダ水とたわしで洗い落とすと、最後の一体の台座の底に「左作」と彫られていた。祖父丈兵衛の代に盗まれた左甚五郎作の大黒天と分かり、高値の申し出も断って社殿を新築し、洗い出し大黒天と名づけて祀った。

原典より

* 十二号室の怪異 (290)* 一つの不思議 (293)* 喧嘩する石の狐 (294)* 美人に化けた貉 (295)* 墓を棄てる (296)* 狐の本音 (296)* 空中に消えた兵曹 (…—— 日本怪談実話(田中貢太郎・河出文庫・1938年(昭和13年)) より引用
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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

日本怪談実話(田中貢太郎・河出文庫・1938年(昭和13年))

『日本怪談実話』は、田中貢太郎が昭和十三年に著した実話怪談集を河出文庫に収めたものである。明治以降に著者が聞き集めた怪異を報告調の短文で綴り、戦地の霊験や戦死者の知らせ、狐狸・天狗・海坊主、トンネルや自動車に現れる女、幽霊写真、狐狗狸などを扱う。元本は改造社刊の『新怪談集(実話篇)』で、冕言に始まって二百を超える小話を並べ、巻末に川奈まり子の解説を付す。

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